2025-07-03
第314回:《探偵》探偵事務所に相見積もりをする意味
探偵事務所に依頼をする時には、相見積もりをした方がいいということは何度かコラムでも伝えています。他のサイトでも、探偵事務所に依頼をする時には相見積もりを取った方が良いということを書かれた記事がありますが、個別の探偵事務所のホームページはそういったことは書かれていないことがほとんどです。
個別の探偵事務所のホームページに、相見積もりをしてから依頼をして下さいとは、どんな優良店であったとしても、中々書けることではないのですが、自社が安い、絶対選ばれると自信のある事務所であれば、「見積もりだけでもどうぞ」と書かれていることはありますが。
今回は改めて、探偵事務所に相見積もりをすることの意味についてお伝えしたいと思います。
企業や何かの団体ではない限り、一般の人が探偵事務所に何度も依頼をするということはあまりありません。そのため、探偵事務所に依頼をするのが初めて、というお客さんがほとんどです。
探偵は守秘義務であったり、依頼人が依頼内容を知られたくなかったりするため、探偵事務所の存在は知っていても、探偵がいくらで、どんな調査をしているのか、どれだけの調査費用が掛かるものなのかがぼやけている業界です。そんな業界のため、初めて探偵事務所に依頼をする人にとっては、わからないことばかりといっても過言ではないでしょう。
また、探偵に依頼をするというのは、普通の精神状態ではなかなか勇気が持てないという人が多いため、本当に精神的に追い込まれた人が勢いで探偵に相談をするということも少なくありません。
その特性を知っているからというのもあり、探偵業の届出をしていない偽の事務所も存在しています。高い料金を吹っ掛けたり、大した調査をせずに終わらせたりする悪質な事務所のため、見つかり次第摘発はするのですが、依頼人側も大事にはしたくはないという人も多いため、中々すべての問題のある事務所を摘発できずにいます。
そういったところと契約を結ばないためにも、相見積もりは重要です。初めから1社だけを考えており、話を聞いてもらえたら、依頼しようというふうに思っていない方が、冷静に探偵事務所の人たちを見ることができます。
探偵に相談をしようと思った時は、始めにホームページで探偵事務所の検索を始めます。精神的に追い込まれている状況だとは思うのですが、それでもホームページだけでも比較をしてみましょう。
探偵事務所のホームページには、どんな調査を請け負っているのか、何を得意としているのかが書かれています。また、探偵の届出番号というものがあり、それをホームページに掲載することが義務づけられているので、それがあるかどうかも確認しましょう。
探偵の届出番号は、何か違反をした場合、公安のホームページにその番号が張り出されるという仕組みになっています。もしできるなら、気になる探偵事務所が見つかった時に、そこで検索をしてみるのもいいでしょう。
また探偵事務所のホームページには、調査料金が載っていることもあります。基本的には調査というのはオーダーメイドのため、事前にいくらになるという断言はできません。ですが、パック料金を設定している探偵事務所も存在しています。パック料金の場合、色々と制約はあるのですが、○○円とはっきり書くことができるので、ホームページにも書かれていることがあります。
相見積もりをする時に、1社探して足を運び、また1社探して足を運ぶよりも、最初に3社ぐらいに絞っておいて、全ての探偵事務所に同時期に相談をしたいことがあるという連絡を入れておくのがベストです。
そうすれば、探偵に相談をして、もうここしかないと思ったとしても、あと2社にも連絡を入れているから、そっちにも相談をしてみないとという風に、即判断をして契約をするということを回避できるからです。
実在している探偵事務所全てが安心価格で、良心的な事務所であれば、即断即決で問題はないのですが、そうではないため、どうしてもワンクッションは必要です。
また、2社目の探偵事務所に相談に行ってみると、1社目との違いを知ることができます。探偵事務所に対しての知識がそもそもない人にとっては、一番初めに足を運んだ探偵事務所が基準になってしまいがちですが、2社目に行くと1社目とは雰囲気も、金額も、もしかしたら見積金額の出し方も違っているかもしれません。何をどこまで調査をして、どんな報告書をくれるのかも、確認してみると、探偵によって違いがあるかもしれません。
そして3社目の探偵事務所に行ってみると、探偵という職業の人に対する緊張感も薄れてきてますし、精神的に追い詰められていたとしても心の余裕を少しは取り戻せるようになります。そうなった時に、あらためて振り返ってみて、1社目、2社目、3社目を思い返してみると、あそこの探偵事務所は親切だったなとか、あそこの探偵事務所はちょっと横柄だったなというような判断ができるようになります。
3社の中に気に入ったところがあればいいのですが、もし判断に迷いがあるなら、4社目を探して相談をするのもいいでしょう。どんな優良店だったとしても、調査料金が安いということはないので、納得がいくまで探偵事務所を周ってみるのもありです。
また相見積もりをしていると、各探偵事務所の見積もりの書き方の違いにも気づくことができます。見積もりの時点では安く書かれていても、実際に調査が始まると、最終的には高くなるということもあります。なぜなら、調査を行う日程が、1日で終わるのか、2日で終わるのか、10日で終わるのかはわからないからです。不倫調査の場合でも同じです。初日の尾行で浮気の証拠を取れればいいのですが、尾行をする日に、対象者が不倫相手に会わないという可能性もあるため、その他場合はどうしても浮気の証拠を取ることができません。
ですので、その場合は追加でどれぐらいになるものなのか、追加になるときには知らせてくれるのかなどの確認をしておくことも重要です。
依頼人側からすれば、一刻も早く調査をしてほしいと思うかもしれませんが、普段身近にない知らない業界に依頼をするので、何事も慎重にした方が失敗もなく、調査の依頼をすることができますよ。