東京都調査業協会

探偵コラム

第1回:別れさせ屋

「別れさせ屋」という職業をご存知でしょうか?
TVドラマや雑誌その他でも見聞きしたことのある方もいるでしょう。
「別れさせたい」「別れたい」相手に業者の工作員が接触し、徐々に親密な関係へと発展して行き、新しい恋愛・浮気を疑似体験させ、今の配偶者や交際相手と別れさせ、工作が成功したら業者の工作員も離れて行く…というストーリーを用いるのが一般的な工作方法のようです。

そもそも探偵業務とは、探偵業法で定義された「他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として、面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その結果を当該依頼者に報告する業務のこと。」をいいます。
つまり、探偵業務に携わる者は、実際に現場に赴いた上で聞込み、尾行、張込みによって得た真実を包み隠さず、依頼者に報告することが探偵業務であると定義付けているのです。

では、別れさせ工作はどうでしょうか?
現場に赴くことはともかく、真の情報を収集し、依頼者に報告することしてはいません。真の情報どころか、第三者の人間関係に意図的に介在し、影響を与える行為であり、事実を捻じ曲げているともいえるでしょう。その業者に言わせれば、「何よりもそれが依頼者の為だから」という詭弁で自社の正当化を図るかも知れません。しかし、「別れさせ工作」という業務で法的に定義されている探偵業務を逸脱しておきながら、一方、他の依頼者の前では真実を報告すると言い、探偵業務を行っているという矛盾を一体どう説明するのでしょうか?

一般社団法人 日本調査業協会は自主規制によって、「別れさせ工作」に準じた事案を行わないと宣言しております。
もしも、このような別れさせ工作を提案する業者があった場合、探偵業法届出番号や一般社団法人 日本調査業協会の加盟員であるか?を確認して下さい。
その上で、一般社団法人 日本調査業協会 もしくは各地域の単位協会へお問い合わせ下さい。

執筆者:ヒューマン探偵事務所 白鳥 泰彦

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