東京都調査業協会

探偵コラム

第28回:探偵と債権債務

女性がある男性にお金を貸して返済が無いので某女性弁護士に依頼。
裁判手続き(支払督促)債務者の居所が分らず依頼者から何万円かの手数料を取り住民票の置いてある千葉県千葉市花見川区の実家へ「郵送するだけで埒が明かない」と相談がありました。

まず債務者が実際に住んでいる居所を「神奈川県大和市の分譲マンションの一室」を調べ、次に神奈川県に本社があり勤務先が「千葉市花見川区の営業所」である事を突き止めました。

これで強制執行(給料の差し押さえ・家財道具等の差し押さえ)をする事が出来ますが、この先は弁護士法に触れるので弁護士さんに頼みなさいと言うと、これまでの弁護士の怠惰な対応でどこまで督促されていたのか不明で、この案件を応対する意思がないようですし、信頼関係も崩れてしまったので、ほかの弁護士を紹介して下さいと頼まれたので紹介し、債権者が相談しに行くと「違う弁護士の案件を引き継ぐのは誰でも嫌だ」と言うのがまず前提にあり、その上で、回収が期待できない案件だから受け難いという事でした。

また一度弁護士との契約を打ち切ると「次引き受ける人がなかなかいない」ので相当の覚悟がいると厳しく言われました。私としては、できれば次の弁護士を決めた上で打ち切るつもりだったのですが、現行の弁護士が所有している書類がないと強制執行もできないという事でした。

費用対効果が悪いのは私も十分承知していますが、ここまで費用かけて引くに引けないのが本音です。

ただ、赤字覚悟でどうしてもやってくれというならやってくれるとは言っていましたが、先日お会いした限りでは、今度の弁護士は、むしろ債務者擁護のスタンスのような印象を若干受けました。(私が女性だから穏やかだったのかもしれませんが。)いずれにしても強制執行を進めるつもりではいますが、現行弁護士との件をまず処理してからでないと始まらないのが現状と言われました。

前項のように裁判手続きが先行して、いざ差し押さえしようとしたら「勤務先は退職」し、「財産は隠され」、住民票を移しそこには「居住しないで」身を隠し、手も足も出ない状況です。

順序が違うだけで、まず我々調査会社が債務者の ①収入源 ②財産 ③動産 ④預金等 を調べ仮差し押さえしてから、ゆっくりと裁判手続きをするのです。
そして強制執行をするだけではなく和解をする事です。強制執行は和解をする手段ですと私は思います。

執筆者:(株)調査のニッピ 木村 吉晴

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