東京都調査業協会

探偵コラム

第56回:《探偵》民事の悩みに関する最終的な逃げ込み場所としての探偵という職業

「民事」という言葉を使うと、少し硬いイメージがあって、自分が受けている行為がそんな大層なものじゃないと思おうとしている人が多くいます。

通常の事件、例えば殺人事件や強盗事件といったものは、警察に通報すれば、こちらはお金を払わなくても捜査をしてくれます。

ですが、民事……例えば、最近多くなった家庭内暴力(DV)やストーカーなどは、警察に通報してもなかなか動いてくれません。

もちろん、家庭内暴力やストーカーが発展して、どちらかが相手を殺した、殺そうとしたという事態になれば動きますが、それまでは「放置」です。

ただ、警察も好きで放置しているわけではなく、日本全国とくに大都市になると、あちこちで事件が起きており、まったく人手が足りていないため、事件を大きい小さいで判断し、対応ができていないだけという見方もあります。

とはいえ、実際にDV被害にあっている人や、ストーカー被害にあっている人からすれば、客観的に見て小さい出来事といわれても、納得できるはずもありません。実際、いつ殺されるかもわからないという恐怖を抱えています。

そんな時に思い出してほしいのが、「探偵」です。

探偵といえば、どうしても浮気調査や身辺調査などをおこなっているイメージがありますが、DV被害やストーカー被害の調査も行っています。

探偵が一体何をしてくれるんだろう?

という疑問はあるかもしれません。確かに、DV被害もストーカー被害も最終的に判断を下し、相手に懲役をつけたり法律で近づくなという命令を下したりするのは、探偵ではないからです。

ですが、探偵はそれらの証拠を集め、依頼人と一緒に警察に同行してくれます。

DV被害やストーカー被害で陥りがちなのは、自分は一人だと思ってしまうことです。自分の力で何とかしない限り、今の状況からは抜け出せないと思い込んでしまうと、周りが見えなくなり、何もできなくなってしまいます。

実際被害に遭われている方は、一番初めに被害に遭ったその日に警察に行く人はほとんどいません。

何度か慢性的に被害を受けた後で、「もしかして私……」と気づくもの。

それは、自身の中にある防衛本能がそう思わせています。誰しも自分が被害者だと認めたくないからです。

ですが、何度も被害に遭っていれば、認めざるを得ません。けれど認める頃には、数回のダメージを心にも受けているので、正常な判断がしづらくなっているといえます。

そんな精神状態で警察に駆け込むのに、相手にしてくれなかったという事実があれば、さらに心に傷を負い「誰も何もしてくれない」と思い込んでしまうというわけです。

ですが、探偵は依頼人の味方です。
民事事件にも介入します。

「もうこのままどうすることもできないんだ」
と、思ってしまう前に、探偵に相談してみてください。

探偵が警察や弁護士を動かすための調査をします。

例えば、ストーカー被害の場合。
依頼人が探偵に依頼したら、どういうことをしてくれると思いますか?

探偵には、ストーカーを捕まえる権利は与えられていません。
ですが、ストーカーが依頼人に対して何をしているのかを調査する権利は与えられています。

そもそもストーカー被害と言っても、被害者が全員ストーカーが誰なのかを知っているとは限りません。

ストーカーはある日突然、ストーカー行為を始めます。

街ですれ違っただけで気に入られてしまったり、落とし物を拾ったことがきっかけで始まったり、反対に落とし物をしてそれを拾った人が行ったり、というケースもありますし、自分の知り合いの人のストーカーがなぜか自分にまでストーカー行為を行うようになることだってあります。

また世間一般的に、ストーカー被害を受けたことがない人が勘違いしやすいのが、ストーカーをしている人は、対象者のことを好きだと思っているということです。

確かに、元カノや元彼、元夫、元妻がストーカーになることもあるので、対象者に対する愛情となぜ自分を捨てたのかという憎悪のもと動いている人もいます。

ですが、愛情は全くなく、憎悪だけでストーカーになっている人もいます。例えば、あの時何で私のことを助けてくれなかったの、という思いや、私が彼と別れたときあなた笑ったでしょという被害妄想、そんな感情からくる嫌がらせもストーカー行為に当てはまります。

そのため、依頼人が探偵社を訪れた場合、まず初めにストーカーをしている人を知っているのかをお聞きします。

もしわからない場合は、探偵が調査をしてストーカーの身元判明と顔写真を撮ってきます。その後で、ストーカーが依頼人におこなっている様々な嫌がらせなどのストーカー行為の瞬間を証拠として撮影してきます。

証拠が一通りそろったら、依頼人にその内容を見せて、どうするのかの判断をゆだねます。

依頼人がストーカーと話がしたいというのであれば、その場に探偵が同席し三人で話し合いをしますし、依頼人がストーカーとは話をせず警察にこの証拠をもっていって捕まえてもらうというのであれば、警察に行く時に同席いたします。

探偵は、証拠を集めるだけではなく、依頼人の精神的補助の役割もしています。

また、DV被害を受けている方から依頼が来た時は、誰から被害を受けているのかはわかっているので、その証拠となる瞬間を撮影し、それを弁護士もしくは警察に一緒に届けるということをしております。

ただ、DV被害と一言でいっても、こちらも種類があるのを知っているでしょうか?

一般的によく知られているのが、身体的暴力です。これはあざが残ったり、場合によっては入院しなければいけなかったりするため、外からもわかりやすいDV被害。

その他にあるのが精神的暴力です。身体的暴力と合わさって行われていることが多いですが、世間体を気にする人であれば、暴言や相手を罵るような言葉で優越感に浸る加害者もいます。

また性的暴力もDVのひとつです。親子の場合にもありますし、夫婦の場合でもこれにあたることがあります。

あとは社会的暴力。これは一時期テレビドラマでも放送されていましたが、夫が妻の行動をすべて把握し、自分以外の相手と会うなと強要したりすることです。ストーカー行為にも似ていますが、これはちゃんとしたDVです。

夫婦間だけではなく、恋人同士でも、親子でもこれは当てはまりますので、自分がどういう状態に陥っているかを振り返ってみてください。

最後は経済的暴力。こちらは、よく昭和の時代に、夫が家にお金を入れず妻がパートをして食費を稼ぐなんて言うドラマもありましたが、まさにそれです。
ちゃんと稼いでいるのに、生活に必要なお金を家に入れないこともDVのひとつ。

これらすべてのDV被害に対して、探偵は証拠集めと弁護士や警察への同行(頼まれた場合のみですが)をしています。

DV被害やストーカー被害。一人で悩まずに、探偵にもご一報くださいね。


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