東京都調査業協会

探偵コラム

第80回:《探偵》正規探偵の安全性は探偵業届出が示してくれている

探偵という生業をしていこうと思うと、まず公安に探偵業の届出を出す必要があります。最近は、こういったことを、探偵にお願いしようかどうしようかと悩む依頼人に向けて、各探偵事務所のHPでも書いていることが多くなりました。

そのため、初めて探偵に依頼をお願いする人であっても、探偵のHP上で探偵業の届出をどこに載せているのかをチェックしてから、探偵にメールを送ったり電話をしている人が増えたように思います。

ですが、探偵業の届出をHP上に載せることは義務づけられているのですが、そこまでは知らない依頼人たちは、探偵事務所に行ってから確認するものなのかと思っていたり、探偵事務所に入っても初めて対面する探偵に対して緊張して、周りを見る余裕がなくて確認し忘れてしまう人も多いと聞きます。

正規の探偵であれば、探偵業の届出はHPのわかりやすい場所に配置していますし、探偵事務所内でも、わかりやすい場所に飾っています。

探偵に依頼をするのが初めて、という人は、どうしてもそう言った部分をおざなりにしてしまう傾向がありますが、初めてだからこそ、ちゃんと気を付けておきたい部分です。

探偵業の届出に書かれているナンバーを調べると、その探偵事務所が問題を起こしている場合には警察のHPでしっかりと、どういうことをやって、どういう処分を受けたのかということを調べることができます。

このことは、どこの探偵のHPでもよく書かれるようになったものですが、探偵業の届出のナンバーでその探偵のことがわかってしまうと書かれていると、気のいい依頼人は探偵業の届出がわかりやすい場所にない場合に、自ら探偵に「探偵業の届出は、どこにありますか?」と聞くことができないのではないかと思います。

探偵側からすると、それを聞いてくるということは、「自分のことを調べるつもりだな」と察してしまうと依頼人側が思うため、これから自分のプライベートな部分を話すのに、信頼関係が結べなくなってしまうと思う方も少なくはないからです。

依頼人が依頼をする探偵のことを調べるのは、当然の権利ですし、後ろめたいことは何もありません。これから他の人に知られたくない話を、見ず知らずの探偵にするわけですから、安心して以来で切る人かを見極めるというのは大切なことです。

悪いことをしているわけではないのに、調べることが何となく後ろめたいような気持ちになってしまうのが、一般の依頼人の考え方でしょう。だからこそ、探偵業の届出は、依頼人が「届出はどこにありますか?」と聞かないでも済むように、わかりやすい場所に置いておく必要があるのです。

ただ、一般的な依頼人が知っているのは、
・探偵をするには届出を出さなくてはいけない
・届出の番号を調べると、その探偵事務所が違法を犯していた場合はわかる
という2つのことだけです。

ですが、本当にそれでわかっているということになるのでしょうか?

届出を出しても違法がバレなければ、番号を調べても何も出てこないわけですよね。
そうやって疑いだすと、探偵業の届出を出している探偵事務所であっても、本当に信用していいの?と思ってしまいます。

依頼人という立場では知らない方が多いのですが、実は探偵業の届出を考案に出すと、年に1回、警察の立ち入り検査が行われています。

国税庁や税務署が一般企業に調査に入るのと似ているかもしれません。警察の立ち入りでは、探偵と依頼人の契約書にも目を通しますし、届出に書かれている住所に事務所があるのかの確認もします。

探偵事務所は大手になると役員の多い事務所もありますが、役員が一人でも変われば変更届出を変更から10日以内に提出しなければいけません。実際に提出するのを忘れていた探偵事務所がありましたが、その事務所は違法ということになりました。

提出し忘れていたのが故意でなかったとしても、警察は問答無用で判断します。

また、警察が探偵事務所に立ち入った際に、届出と住所が違ったので変更届出を出すようにと伝えたものの、それでも変更の届出を出さなかった探偵事務所は、200日後に行政処分を受けたという話も聞いています。

一般企業でも犯していそうな些細なことであっても、探偵業の届出を出している探偵事務所は、しっかりと違法なことがないかと見張られています。

届出を出すということはそういうことなのです。

また、こういう話もあります。
立ち入りを行った警察が探偵事務所の契約書を見て、
・担当者の欄に判が押されていなかった
・契約した人の名前の欄が空欄
・契約した日付の欄が空欄

こういった契約書を発見すると、その探偵事務所は違反行為を犯したというふうに判断されます。

先ほど挙げた3つは、どれも単純ミスのようにも見えますが、中には嘘の契約書という可能性もありますし、わざと空欄にしておいて、後で悪用しようということを考える探偵もいるためです。

もちろん、単純ミスだったということもあります。

ですが、単純ミスでも、故意であったとしても同じように違反を犯したとみなされて、探偵業の届出番号を調べてみると、その事項が書かれています。
警察がここまで探偵事務所のことを調べているということを、一般の依頼人は知らないのではないでしょうか?

ここまでしているというのは、探偵事務所にとっては大変面倒なことですが、変わりにここまでされても何も出てこない探偵事務所というクリーンさをアピールすることができるようになります。

探偵に依頼をするのは、何となく怖いと初めは思う方もいるかもしれませんが、探偵業の届出を出している探偵事務所は、少なくてもきちんとした探偵だと言えます。

もちろん、探偵業の届出ナンバーを調べてからではないと、本当に安全かどうかを判断することはできませんが、探偵に依頼をする前にナンバーを調べれば、その探偵事務所が信用することができるのかの判断材料になるのではないでしょうか?

少なくとも探偵業の届出書を公表していない探偵事務所や、そもそも探偵業の届出を出していない探偵には依頼をしないようにしましょう。悩み相談をするつもりが、やっかいな問題に巻き込まれてしまう可能性が高く危険です。十分に気を付けてくださいね。

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