東京都調査業協会

探偵コラム

第85回:《探偵》結果を求めるなら、探偵事務所は調査力で選ぶ時代

個探偵に依頼をしようとネット上で検索をしていると出てくるようになったのが「調査力」という言葉です。でも一般の人にとっては、あまり聞きなれない言葉ですよね。

「調査力」という言葉は知らなくても、字面からなんとなく何を言いたいのかは伝わってきますよね。

これまで探偵に依頼をしたことのない人にとって、存在がはっきりしない「探偵」は未知の職業です。その実態が何なのかも、あやふやな人も多いでしょう(未だに都市伝説だと思っている人もいるぐらいです)。

そんな探偵に、依頼をしようとネットを見てみると、騙されてはいけないとか、詐欺グループが探偵を装っているというような、記事ばかりを見かけます。記事を読んだ依頼をしようとしている人は、探偵は本物と偽物がいるから気を付けようと思ったり、探偵ってやっぱり胡散臭いから依頼するのを辞めようと思ったりするかもしれません。それでも、依頼をしようと決める人は、よほど困っている人です。

そして、電話相談をし、対面での無料相談をして、この人は詐欺なんかじゃなくて、本物の探偵だと思ったら、契約書にサインを――という人が多くいます。

ですが探偵は職人と同じで、いくら本物だからと言っても、本当に依頼人が望んでいるような満足できる結果を出せる人ばかりではないという現実があります。

どういうことかというと、例えば物を作っている職人であれば、買い手側は職人がどんな風貌をしていても、生み出された作品を見て買うかどうかを決めることができます。目利きのある人であれば、作品を見て、これは熟練の技が光っているとか、この作品はまだまだ青いなとか、これは粗削りだけどいいセンスをしているなという判断が可能です。

そのため、職人がまだ一人前になっていなかったとしても、購入した後で失敗したというような買い物をすることはありません。目利きがない人であっても、自分はこの作品がいいんだと納得して購入しているので、やはり失敗したとは思わないでしょう。

ですが探偵には、そういった購入の仕方ができません。探偵は注文制だからです。依頼をして、お金を払ってから、その結果が依頼人の所に届きます。しかも、調べるものが人なので、必ずこういった行動を取るということが決まっていないため、探偵側からさらに調査をするために追加料金を求められることもあります(合法の範囲内で)。

依頼をし終えた後であっても、依頼人はお願いをした探偵が本当にすごい人だったのか、まだまだ駆け出しの探偵だったのかの判断もできない場合がほとんどでしょう。初めての依頼、初めての探偵との対面、初めての調査報告書。全てが初めてです。何かと比べることができないので、玄人なのか素人なのかの判断のしようがありません。

求めていた結果が出たから玄人。求めていた結果が出なかったから新人。というような、簡単な物差しで測ることもできないのがこの業界です。求めていた結果が出なかったとしても凄腕の探偵ということもあり得ます。ただ、求めていなかった結果が出ていなかった時の、新人探偵と凄腕探偵の調査報告書は、書かれている内容が違う場合があります。ですがこれは、同じ調査を同時に二つの探偵事務所に依頼しない限り、分からないことでしょう。

ネットで調べてみても、探偵は詐欺を働いている人なのか、本物の探偵なのかの見極め方は多く書かれていますが、本当にすごい探偵を見つける方法というのは書かれていません。外観がぼんやりしている内容の記事がほとんどです。

ただ、だからといって必ずしも新人探偵に依頼をしたら失敗というわけでもありません。案件によっては、駆け出しの探偵でも何の問題もないこともあります。

例えば、街を歩いている時にお店の前で酔っ払った男性二人が喧嘩をしていたら、交番のおまわりさんに連絡するだけでいいのですが、街で死体を見つけたら交番のおまわりさんに連絡するだけでは解決できませんよね。

当事者にとっては、どちらも大変な事件ですが、物事を客観的にみると罪の度合いが違い、駆け出しの人では力不足が露呈してしまうものもありますが、そうでないものもあるということです。

探偵も、駆け出しの探偵だからと言って、昨日まで花屋さんで働いていた人が、何の勉強もせずに次の日から探偵の看板を掲げて「私は探偵です」という人は、さすがにいません。

探偵学校に通って勉強をするか、他の探偵の元で下隅を積んでから探偵の看板を掲げているので、駆け出しでも素人ではないということです。

そして、今回のタイトルにもなっている「調査力」についてですが、ベテランの探偵であればある程度の調査をする力はもちろん持っています。ですが、どうしても、差は出てきます。

ただ探偵を調査力で評価することがないので、A社の調査力は80だけど、B社の調査力は60しかない。というようなことも、現段階では表現することができません。探偵も国家試験のようなものがあれば、調査員ごとにテストをして測ることができるかもしれませんが、今のところそういったものがないためです。

そのため、現状では、Aという探偵事務所は「調査力が高い」。というような言い方をしたりします。

調査力の高い低いという言葉を直接的には書いていない探偵社のHPもありますが、「うちの探偵事務所はこういうところがいいところです」というPR文は必ず載っています。いくつかのホームページを見比べてみると、それぞれ何が得意なのか、こういうことができるから調査力があると言っているのかの差を見つけられます。

それを見て、他社ではこう書いていたけど、御社ではどうですかと電話相談する時に聞いてみると、質問に対する答え方でも、その探偵社の質を見ることができるでしょう。

もしかすると「調査力」というよりは「対応力」なのかもしれませんが、これも依頼をする側からすれば大事な要素のはずです。依頼を決意したなら、1社だけではなく5社ぐらいの探偵社のホームページを見比べてみてください。

いくつみていても、よくわからないという時は、当協会のような場所にご相談ください。間違いのない探偵をご紹介させていただきます。

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