東京都調査業協会

探偵コラム

第149回:《探偵》探偵協会に寄せられる苦情にはどんなものがあるのか

今回は少し、方向性を変えていこうと思います。

探偵協会というものは、当協会以外にも各地域に存在していますし、探偵同士が集まる場としても存在しています。他の探偵協会でも同じことをしているところもありますが、探偵協会に所属している探偵の話を聞く場としてあるだけでなく、探偵協会に所属していない探偵事務所のことについて話をしてこられる方もいます。それは、探偵協会が探偵に対する苦情を受け付けているからです。

では探偵に対する苦情とは、どういうものがあるのでしょうか。基本的には、依頼者と探偵の間でトラブルが起きた、依頼者側がトラブルが起きたと感じている時に連絡がきます。

よくある相談の電話では、探偵事務所と契約まで進めたものの、やっぱり依頼するのを辞めたいと思い、連絡をしたのに、それでもお金を取られてしまった、というもの。意外とこれは多くあるトラブルです。

契約書に判を押したものの、家に帰ってみると冷静になり、やっぱり依頼をするのはやめようと思い探偵事務所に連絡をするというのは、ない話ではありません。依頼者側からすると、契約書に判を押してから数時間しか経っていないので、解約をしても一切お金は取られないだろうと思ってしまうので、そこでお金がかかるとは思わないからです。

依頼内容にもよりますが、探偵がすることは相手の調査や尾行です。契約書に判を押してすぐに尾行をするわけではないので、依頼者側がお金がかかると思わなくても仕方ありません。ですが、尾行はしなくても、探偵は契約書を交わした瞬間から行動を開始します。対象者がどういう人なのかという検索もしますし、尾行をする際の準備も始めます。依頼規模や探偵事務所の規模によっては、調査員の確保も行うため連絡をしますし、尾行や調査に必要な道具の調達が必要な場合もあります。探偵は契約書に判を押された時点で、行動を開始しているのです。

ただ、それを探偵が依頼者にわざわざ言うことでもないですし、仕事の準備をしていたので無料で解約はできませんと伝えても理解は得づらいでしょう。他の職種でも、仕事をする前には準備をしますが、もう準備をし始めているので、ただで解約することはできませんと言われても、納得できないのと同じです。

探偵側と依頼者側の考えの違いによって、解約をした時のトラブルというのは、意外と多くあります。そういったことも踏まえて、現在では探偵が作る契約書の中には、「解約時について」の規定を入れています。契約書の中に明記しているため、ここに依頼者が判を押した時点で、探偵も依頼者も契約書に従う必要が出てきます。

また、契約書に明記していても、依頼者側は探偵に相談をしに来る時には、すでに焦っていて、契約書を隅々まで見ないうちに判を押すこともあり、実際そういったことで、苦情の電話を頂いたこともあります。ですが、契約書に判を押した時点で、その内容に依頼者が納得しているとみなされるため、どんなに苦情を言ったとしても支払いの義務が法律的に成立してしまっているため、覆すことはできません。(契約書に判を押させるために、不当な方法を使っていない場合)

契約書に書かれているのであれば、見落としている方が悪いと第三者から見れば見えるかもしれませんが、実際にこのケースは多いです。当協会に相談をして下さる方もいますが、契約書に書かれているのであれば、それに従うしかありません。できることと言えば、探偵に事情を説明して、少しでも金額を減らすことはできないかの相談をするぐらいでしょう。それもかなり難しいですが、事情がある場合には、多少であれば応じる可能性もなくはありません。ただそれでも、解約金が0円になることはないでしょう。

こういう苦情が多いということを協会側で把握しているため、当協会に所属している探偵事務所には、契約書の中身を依頼者と一緒に確認するというのと、解約時のキャンセル料について、契約書を見ながら依頼者に改めて説明をするように伝えています。依頼者が契約書に判を押すときには、解約をするという前提で契約をしているわけではないので、あまり重要な項目だとは思っていないことが多いのですが、探偵に説明されているという記憶を残しておくことで、クレームを避けることができるというわけです。

探偵協会に寄せられる依頼者からの相談は、協会に所属している探偵事務所が、依頼者にどう接すればいいのかの指針になることもあります。

解約トラブルでの相談が多いですが、その他にもあります。例えば、そもそも悪徳業者と呼ばれる探偵と契約してしまった場合の相談や、たいした証拠にもならないものを調査報告書として渡し、成功報酬を出せと言われたという相談。そういったプロ意識の欠けた探偵事務所は、残念ながら存在しています。また調査内容に納得がいっていない依頼者からの相談もあります。

悪徳業者(悪徳探偵)は、見つかり次第、摘発して数を減らしていってはいるのですが、後を絶たない傾向にあるため、ゼロにはできません。そもそものトラブルメーカーとなる業者に引っかからないためには、依頼者側でも探偵事務所がどういうところなのか、どういう仕組みなのかを知っておく必要があります。

何となく怪しい業界という印象かもしれませんが、知ってみると、ちゃんとしたシステムの中で動いている業界です。

正しい探偵事務所と、そうではない探偵事務所の違いなどは、各探偵事務所や探偵協会がアップしていますので、なるべくそういったところに引っかからないように、ご注意ください。詐欺まがいの業者に捕まって、無理やり契約をさせられた場合は、証拠があれば解約することもできるかもしれません。

当協会は、探偵に関する様々なトラブルから相談まで、何でも受け付けています。協会に所属している探偵を、ご紹介することもできますので、探偵探しで方法がわからないとなった場合にも、相談してください。相談内容を聞いて、だったらここの探偵事務所が最適だと判断したうえで、ご紹介させていただきます。

ただ故意にトラブルを作っていない場合もあるので、困りごとがあったら、これは正しいのか、正しくないのかの相談事でも受け付けております。お気軽にご連絡ください。

← <探偵コラム目次へ戻る>


東京都調査業協会 苦情相談窓口

〒101-0032 東京都千代田区
岩本町2-6-12 曙ビル402号
TEL:03-3861-2301(代)

電話0120-109-490メールフォーム