東京都調査業協会

探偵コラム

第176回:《探偵》世の中の動きが変わったことで人の行動も変わる

コロナ禍が始まってから2年以上が過ぎ、人の行動は変わってきました。例えば、マスクをつけて歩くことや夜遅くまで外に出ないこと。今現在は緊急事態宣言やマン防などは出されていませんが、21時以降に飲食店内にいる人は極端に減ったままです。これは飲食店経営者が言っていたことですが、人流が変わり、21時以降はお店を開けていても、人が来ないので営業時間を変えるようにしたそうです。

それでも、新宿、渋谷、池袋などの繁華街であれば、もちろん開いている店はありまし、人が入っていたりはします。ですが、西新宿の近くで働いているサラリーマンが、残業をして22時まで働いていると、会社を出ても開いている店は少ないと言っていました。

店側は、人が来ないのであれば閉めてしまおうと考え、営業時間を独自の判断で短縮し、お客側は残業などがなければ極力早く家に帰ろうし、たまに残業があった時だけ飲みに行こうと思っても、店は開いていないという状況になっているのです。

ここで考えてみてほしいのですが、土日など仕事がお休みの時に、「20時に新宿に集合して飲もうぜ」と誘われたら、どう思いますか?

開始時間が遅すぎると思う人もいれば、夜の新宿になんて行きたくないと思う人もいるのではないでしょうか? でも、コロナ前の2019年だったらどうでしょう。「20時ねOK」となりませんでしたか?終電までの時間を考えれば、20時でも4時間は飲めますし、次の日が休みであれば、オールでもいいわけです。

ですが今の時代に、終電まで飲もうと考える人はどれだけいるでしょうか?

緊急事態宣言やマン防を何度も出されているうちに、一般の人の考え方は徐々に変わってきてしまったというわけです。

ただ、終電まで飲もうと考えない人が減ったからといって、飲みに行くのを辞めた人ばかりではありません。飲みに行く時間帯を変えただけです。そして、お店側もそれに順応しています。夜は17時開店だったお店は、16時開店にしたり、ランチ営業を始めてそのまま夜までぶっ通し営業をしたり。そうすると、早い時間帯からお店は一杯だったりします。つまり、早い時間帯だったら、飲んでもOKという、よくわからない常識ができてしまったようです。

こういった、人の行動が変化すると、探偵側もそれに合わせる必要が出てきます。

例えば、浮気調査をしている時。以前だったら、この時間帯に出かけたら怪しいと考えて、張り込みを開始したりということもありましたが、今は以前のような常識は通用しません。

不倫や浮気でラブホテルに入る時間帯も、この時間が定番というのがあっても、それも変わってきています。夜の時間帯に浮気をするより、少し早い時間帯に浮気をする人も増えました。前までは、ホテルに入る前に、居酒屋など食事を挟んでいた人も、お互いの同意で食事を挟まず、会ってすぐにホテルへ行くようになったからです。もちろん、コンビニなどで買い物をする人たちもいますが。

そのせいで、配偶者の浮気に中々気づくことができなくなった人もいます。例えば、仕事を定時で終わらせて、そこから2時間直行でホテルに行き、何もなかったかのように家に帰ってくるとどうでしょうか。「今日はちょっと遅かったのね」「仕事が立て込んでいてね」という会話で、気づけなくなってしまいませんか?もしくは、普段からか残業をしている人であれば、遅く帰ってきたとも思わず、普通に「おかえりなさい」と言ってしまうかもしれません。

浮気相手がこれまでは、ホテルに直行じゃ味気ないと思っていた人も、世間一般の考え方として、飲食店にはいきたくない、遅い時間までは外にいたくない、というような考えが根付き始めているため、浮気をする側と浮気相手の考えが一致し、食事なしのホテル直行が可能になってしまっているためです。浮気をする人にとっては、食事代も出さなくてよくなったので、ラッキーな状態とも言えるでしょう。

また仕事が休みの日の不倫も、飲食店離れが強くなっています。そのため、飲食店で仲良く会話をしている場面を見ることも減りました。とはいえ、2019年までの行動と、何も変えていない人もいます。今は、変革期なのか、色々な考え方の人が存在しているので、このパターンで考えればいい、というものがなくなってきていると言ってもいいかもしれません。

少し見ただけで、この人はこういう行動パターンの人間だなと、以前は予測ができても、今は予測がしづらいので、探偵側も初心に戻って調査をしています。

また、人探しにおいても、苦労することが増えました。なぜなら、多くの人がマスクをしているからです。マスクをすることで、顔の半分が見えなくなります。そうすると、雰囲気の似た人というのは増えてきますし、変装するためにマスクをしている人と、そうじゃない人の区別がつきづらいので、難易度が上がっていると言えるでしょう。

他にも学校のいじめ問題。これもいじめの種類が変わってきているため、一見するとイジメられているのかどうかがわからないことも増えてきました。自分の意志でそうしているのか、誰かにイジメられてそうしているのかがわからないため、周りから見て判断が出来ないのです。これもマスクに関することですが、このマスクを取り上げられ、衛生的に汚いものの中に入れてから、再度つけさせられるという行為。

湿っていたとしても、汗で濡れているのかなと思い、誰も気に留めないということもあるでしょう。また、マスクが匂うと言って精神的に追い詰める行為。こちらの方が、周りにはバレやすいイジメかもしれませんが、そういうイジメの方法だってあります。

人の行動が変わってきたことによって、新しい問題が浮上してきていることは間違いありません。探偵は相談を受ければ、もちろん調査を行いますが、相談を受けなければ調査ができないため、最初の気づきは依頼人側にしてもらう必要があります。

少しでも変だなと思ったら、どんなことでもいいので探偵に相談をしてみて下さい。あなたの違和感が、実は大ごとだったりするかもしれません。こんなのは些細なこと、と片付けるのは危ないですよ。

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