東京都調査業協会

探偵コラム

第228回:探偵に相談をしづらいと思ってしまう心理は何なのか

「困りごとがあれば、探偵に相談を」と言っても、大抵の人は「はい、そうします」とすぐには気持ちを持っていくことはできません。探偵は非合法な場所ではありませんし、特定の人にだけ使うことを許されている場所でもありません。多少、費用が掛かってしまうことは否めませんが、それ以外で言えば、誰からの相談も受け付けています。

なのに、探偵に相談をするのはちょっと……という心理が働いてしまうのはなぜでしょうか?そのことについて、深く考えたことはありますか?

今回は、探偵に相談をしづらいと思ってしまう心理について考えていきたいと思います。

まず考えられるのは、やはり探偵業界の不透明さです。探偵業界があえて不透明にしているわけではないのですが、仕事の特性から、こんなことをしているということの全貌を大っぴらにすることができません。そのせいで、探偵はいったいどういう存在なのか、ということが令和の時代になってもまだ知れ渡っていないところです。

不透明だった職業は、昔は探偵だけではありませんでした。特にインターネットが普及する前は、どの職業も不透明です。その道に進むための学校に通っていれば、学校がその業種について教えてくれるので知ることができますが、その学校を選ばなければ、その業種はずっと不透明なまま。もしかしたら、名前すら知らなかったということもあるでしょう。名前だけ知っているという職業があるとすれば、大抵は物語の中で出てくるからです。しかし、物語は想像の産物ですので、作者がその業種のことを本当に知っていて書いているとは限りません。

だから偏った情報だけが世間にはあふれていました。しかし、インターネットが普及し、職業の名前がわかれば、みんながそれぞれ調べることができるので、不透明な業界はかなり減ったと思います。

しかし、探偵業界だけは、細かい所を開示できない仕事のため、わからないことはわからないままです。さらに探偵は、物語の中に登場させることが多い業種のため、一般の人に誤解を生ませてしまっています。物語の中に出てくる探偵は、作者が探偵のことを知って書いているものではないため、そのほとんどが創作です。創作なのですが、創作なのか本当なのかを判断する材料があまりにも少ないため、人は余計に惑わされてしまうのでしょう。

次に探偵に相談しづらいと思ってしまう心理には、依頼人の心の問題というのがあります。

探偵に相談をする内容は、人前で話せないことがほとんどです。話せるものがあるとしたら、小さな子どもや年配の方が行方不明になったという話や、ペットが行方不明になったという話の場合だけでしょう。本人の迷子による捜索も、人探しの部類に入るので、相談をされる方もいらっしゃいます。

しかしそれ以外の相談事は、人前で話せるようなことではありません。一般的に多いとされている浮気調査の依頼。不倫をすることは、以前よりも驚かれなくなりました。ですがだからといって、どうどうと「うちの夫が不倫していて」という話を、近所の人に話せるわけがありません。

自分の配偶者が不倫をするということは、不倫をした人が悪いのですが、世間はそういう風に見ないこともあります。不倫をする人も悪いのですが、不倫をしてしまう土壌を作った不倫をされた人のことも揶揄されてしまうからです。確かに、円満な家庭で、子どもがいるときはパパママの姿でいて、2人きりになると男女の姿になれる夫婦であれば、どちらかが不倫をする確率は低いでしょう。そういった関係を作っていても不倫をする人はするのですが、そういう場合は完全に不倫をする側だけが責められるものです。 しかし、パパママの顔と男女の顔を分けて付き合えている夫婦が、世の中にどれぐらいいるでしょうか?ほとんどの夫婦は、そんな風に付き合い方を変えられていません。ですので、「不倫をされたのは、不倫をされた方が悪いのよ」と近所の人に言われてしまえば、全力で否定できないところもあります。だからこそ、他人に「私の配偶者は不倫をしている」ということを相談できずにいます。 だからこそ、探偵という職業が必要なのですが、探偵に相談をするのにも通著してしまう心理が働きます。探偵が不透明だからだけではなく、探偵に話すことで、自分の配偶者が不倫をしているということを口にしてしまうからです。それによって、世間に広まってしまう可能性もありますし、口にすることで不倫をしていることを認めてしまうのが怖いというのもあります。

探偵に相談をされる方は、不安だから相談をしているという方も一部はいますが、大抵は答えを知った状態で相談をしてきます。覚悟が決まっているからこそ、探偵に相談をしているということなのでしょう。

そう思うと、探偵に相談ができない状態というのは、その物事に対して向きあえておらず、本人の覚悟もできていない状態と言えます。

もちろん、探偵業界の不透明さがなく、誰でも優しく受け入れてくれるクリーンな職業という認識があれば、自分の覚悟が決まっていなくても早い段階で探偵に相談をすることができるでしょう。そこは、探偵業界の問題ともいえます。

しかし、探偵に相談をしづらいと思ってしまう心理は何なのかを考えた時に、探偵業界側の問題と、相談者側の問題があるということがわかると、おのずとどうすれば相談をしようと思うのかがわかるのではないでしょうか。

相談者側からは探偵業界の問題は解決できないので、相談者側の問題だけになりますが、自分が探偵に相談をするのはまだ…と躊躇してしまうのであれば、自分の覚悟が足りていないからです。その覚悟を決める方法はどうすればいいのかを考えてみると、いろいろと物事に整理をつけることができるはずです。自分の感情、身の回りを整理してみて、自分がどうしたいのかが明確になってきたら、覚悟が決まったという証拠です。

その時に、探偵に相談をしようという結論に至ったのであれば、冷静な感情で探偵事務所探しをしてみてください。探偵事務所の探し方がわからない場合は、当協会のような探偵協会に相談をするのも一つの手です。探偵事務所はいつでも門を開けていますので、お気軽にご相談ください。

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