東京都調査業協会

探偵コラム

第235回:配偶者の浮気を知って離婚をしたいと思った時に

夫や妻が浮気をしているかもしれないと思って不安になるということはよく聞く話です。

不倫をしているのか、していないのか分からないから不安という感情。ですが、誰にも相談ができないので、これはもう探偵に相談をするしかないと思って、連絡をする――。実際に、そういった方からの問い合わせは数多くあります。

そして調査をして、その結果、配偶者が不倫をしていた、不倫をしていなかったということがはっきりして、それから今後どうしていくのかを考える。そういった依頼人がいます。

確かに探偵はわからないこと、曖昧になっていることをはっきりさせるために調査し真実をあぶりだすのが仕事です。ですが、配偶者が浮気をしているかどうかが分からないから、はっきりとさせてほしいという場合だけではなく、こういったケースでも探偵に調査の依頼をすることがあります。

配偶者が浮気をしていることは知っている。だから離婚をしたい。

という場合です。

この場合、浮気をしていることを知っているので、探偵に相談をする必要はないと思われるかもしれません。しかし、配偶者に「あなたが浮気をしているから離婚をしたいし、慰謝料も、あなたと浮気相手、それぞれに請求するから」と言った時、「わかりました」という人がどれだけいるでしょうか。

法律的に、結婚をすると、その夫婦はお互いに貞操を守らなければいけない義務が発生します。それを犯したので、慰謝料を請求することは違法ではありません。ですが、相手が「証拠はあるのか?」と言ってきたらどうでしょうか。

また、夫の浮気を知っている妻が、夫に対して、夫の浮気相手にも慰謝料の請求をしたいから名前と住所と連絡先を教えてと言って、夫が素直に浮気相手の素性をさらすでしょうか。もしさらしたとしても、さらされた浮気相手は、素直に慰謝料を支払うでしょうか。

夫や、夫の浮気相手がごねる場合もあります。これは浮気をしたのが夫ではなく、妻側が浮気をした場合も同じです。浮気をした側は、自分が浮気をしたということを認めると罪が重くなることを理解しているので、口頭だけで詰め寄っても、弁護士の先生を雇ったとしても、首を縦に振らない場合があります。

浮気をした側は、「そんなのは、そっちが勝手に妄想したに過ぎない」と言えてしまうからです。

家族として一緒に住んでいれば、相手がいつもと何か違うということに気付くのは案外簡単なことです。そして、家に帰ってきた時に、知らない香水の香りがしたり、来ていた服に化粧がついていたり、見たことのない下着を買っていたり、自分磨きをするようになったり、以前と趣味が変わってきたり……そういった、配偶者が浮気をしている確信というのは、結構な確率で得ることができます。

そして決定的ともいえるのが、スマホを見る回数が増えたり、スマホを見てニヤニヤしていたり、電話をするのにベランダに出たりする行動……。

こういうことをされれば、完全に浮気をしていると思って間違いないでしょう。ですが、日々の配偶者の行動は確かに怪しい行動を取っているのですが、「そんなのはたまたまだ」と言い逃れをする人もいます。

そうなった場合、離婚をして慰謝料を貰うということができなくなる場合もあります。配偶者が「わかった」と言わなければ、どんなに浮気をしていると確信していても、離婚はできませんし慰謝料も貰えません。ただ、「そんなのはたまたまだ」と言われて引き下がるぐらいなら、初めから離婚をしたいとは言わないでしょう。

では次はどうなるのかというと、離婚裁判です。

離婚裁判をするのであれば弁護士を雇う場合もありますし、雇わない場合もあります。雇うにはお金がかかるので、いらないと思うかもしれませんが、浮気をしている側が雇ってくることもあるので、なるべく雇った方が良いでしょう。そしてその時に弁護士から言われるのが、「配偶者が浮気をしている証拠はありますか?」という言葉です。

日々怪しい行動を取っている配偶者を見ていて浮気を確信していることはあっても、それを証拠として残していない場合もありますし、残していたとしても直接的な言葉を言いあっている音声録画や写真がなければ、証拠とは言えません。また、離婚裁判に慣れていない人が裁判を起こす場合、どういうものが証拠になるのかということも知らない場合が多いでしょう。

そこで出てくるのが探偵です。弁護士は裁判で討論になった時に、代弁をしてくれますが浮気の証拠集めはしてくれません。しかし離婚裁判が行われることが決定した後では、浮気の証拠を見つけるのは至難の業です。もちろん探偵に相談をすれば引き受けてはもらえますが、証拠を見つけ出せるかというと確率は低くなります。特に相手側にも弁護士がついている状態であればなおさらです。

浮気をした方も弁護士を雇っていれば、離婚裁判中は一切浮気相手との接触はしないで下さいと言われているはずなので、新しい証拠を手に入れることが困難になるというわけです。これまでに手に入れていた証拠があればそれと、状況証拠だけで戦わなくてはならなくなります。

ですので、一番いい順番としては、配偶者が浮気をしていると確信し、だったら離婚をして慰謝料もしっかり貰おうと考えたなら、配偶者に伝える前に探偵に相談をしましょう。探偵に相談をする時も、離婚裁判を考えているということを伝えれば、その時に証拠として使えるものを用意してくれます。

離婚裁判で浮気をしている方が言い逃れができないほどの証拠能力のあるものは、配偶者と浮気相手がホテルに入るところの写真や動画です。それも、1回だけではなく複数回分のものを提出できれば、浮気をしている側がどんなに否定をしても黒と確定するでしょう。

また、弁護士と探偵で協力体制をとっているところもあるので、探偵に相談をし、そこで調査報告書を貰ったら、探偵から紹介された弁護士の所に行くという流れを取れる場合もあります。一般の人は、探偵も弁護士も知り合いにいないことが多いので、離婚裁判をしたい時は、探偵と弁護士が協力体制になっているところの探偵に相談をする方が、話しが早いでしょう。

← <探偵コラム目次へ戻る>


東京都調査業協会 苦情相談窓口

〒101-0032 東京都千代田区
岩本町2-6-12 曙ビル402号
TEL:03-3861-2301(代)

電話0120-109-490メールフォーム