東京都調査業協会

探偵コラム

第241回:調査依頼の適切な価格が分からない場合

探偵に調査を依頼しようとして躊躇をされる人も、まだまだ多くいます。その躊躇してしまう理由として多いのが、探偵を本当に信用してもいいのかということと、調査料金です。

探偵を信用するには、世の中に出ている情報が少なすぎるため、難しいところがあると思います。そして、それと同時に、調査料金の相場もわかりづらいのではないでしょうか。

探偵が取り扱う調査の内容は、決して第三者には漏れてはいけないことがほとんどです。だからこそ、それなりの金額になってしまうのかもしれないと思っているところもあるかもしれません。といっても、探偵がどうやって調査をしているのかの詳しい状態を知らないので、金額として、どれくらいになるのかがやはり分からないから不安というのが気持ち的には多いでしょう。

ここ10年ぐらいで、探偵業界もかなりオープンになってきました。依頼人の情報はもちろん開示しませんが、自分たちがどういった調査をしているのか、どういった依頼内容を受けているのかということを、自社のHPに載せたり、本を出版したりして、依頼をしようと考えている方の不安を少しでも解消出来たらと動いています。

インターネットの普及が一番大きな要因ではあると思いますが、インターネットがまだそれほど普及されていなかった時代は、探偵は電話帳で自分たちの事務所の名前を知らせたり、街中にポスターを張ったり、雑誌や新聞などで広告宣伝をしたりということぐらいしかできませんでした。そんな小さなスペースでは、依頼をしようとしている人たちに、自分たちの内情を伝えるのはとても難しく、口コミでもなかなか広まりづらい業界のため、よくわからない人たちがいるところ、という印象が強かったかと思います。

それに、電話帳やポスターや広告では、料金設定についても書くことができなかったので、依頼を考えている人は電話をかけて初めて、どれぐらいの料金がかかるのかを知ることができました。探偵事務所の中には、相場は一切伝えず、実際に相談内容を聞いてからしか見積もりを出さないところもあったので、依頼をする側は本島に不安だったかと思います。

確かに調査料金は、たとえ同じ浮気調査だったとしても、人によって金額はバラバラです。なぜなら、どういった調査をする必要があるのかが、人によって違うためです。だから探偵側も、詳しい話を聞いてからではないと、見積もりが出せないと言っていました。確かにそうなのですが、それでも一般的な金額感が全く分からないので、知りたいと思うのが一般の人です。

探偵側と依頼をしようか悩んでいる一般の人とで、そういった考えのせめぎあいもありました。ですが最近は、文字制限のないHPやブログがあることで、探偵側もそれぞれの調査料金の相場を出してくれています。

調査料金の相場の書き方は、探偵事務所によってバラバラではありますが、大まかであれば「浮気調査〇〇円~」とだけ書かれていますし、多少細かなものであれば、「浮気調査基本プラン-調査員2名、調査日数3日、車、機材で約〇〇円。ただし内容によって値段変動アリ」という風にも書いています。

人によっては、こう書かれていた場合、ここに書いている金額より高くなるのかと怒る人もいます。そういったことを避けたいから、探偵側も金額を書かない場合もあるのですが、全く相場が見えない状態で不安を抱えていた人たちからすると、ある方がいいと思っている人の方が多いはずです。だからこそ、探偵側もトラブルが起こる可能性もあるのをわかっていても書く探偵事務所が増えています。

こういった探偵事務所が増えていることで、普段探偵に馴染みのない一般の人でも、浮気調査なら相場は大体〇〇~○○円ぐらいなんだろうなという見当がつくようになりました。物語の中に出てくる探偵はたくさんいますが、その探偵が依頼主に対して調査費用はこれぐらいですというシーンをあえて入れているものは少なく、さらに物語の場合は探偵は調査を受けた人か、もう一人の探偵が調査をするぐらいしか書かれていません。

しかし実際は、調査の相談を受けた本人が1人で調査をするということはありません。もちろん、とても簡単な調査内容であれば、1人の場合もありますし、全くゼロというわけではないのですが、ほとんどの場合は複数人で行っているため、調査料金はある程度の額になってしまうというわけです。

探偵は高給取りだと、思っている人も多いように思います。でもそれは、何人がどれぐらいの時間、その調査をしているのかということを知らないからではないでしょうか。探偵の調査には、危険が伴う場合があるので、確かに時給1000円というわけにはいきません。探偵事務所で事務の仕事をするアルバイトを雇う場合であれば、それぐらいの金額の人もいるかもしれませんが、調査をする場合は別です。

一般的な浮気調査の場合、調査にあたる探偵は基本的には2、3人です。その人たちが、1日6時間尾行をし、それが1週間(まずは3日というところが多いですが)続いたとなると、それだけでどれくらいのお金になるのかは想像がつきます。さらにそこから、交通費や車代、機材代がかかりますし、調査は尾行だけすれば終わりではないので、その他のことをする時間も労力も必要なわけです。そしてこれらは全て経費なわけですから、純粋な売上のことも考えると、もっと費用はかさみます。

そう考えた時に浮気調査を依頼して、調査費用が2、3万円で済むはずがないというのはわかりますよね?

探偵がどういう調査をしているのかを知る機会は少ないかもしれません。しかし最近はHPや記事などで、一般的な調査方法を書いてくれている探偵事務所もあります。人がこんな風に動いているのであれば、費用はこれぐらいかもしれないと、実際に金額が書かれていなくても想像することはできるのではないでしょうか。

その上で、想定以上に高い見積金額(例えば100万円など)を言われた時は、なぜこんなに高くなるのかを詳しく聞いてみましょう。不必要な調査が入っていたり、相談の仕方が悪く余計な仕事まで含んだ依頼になっている可能性もありますし、ぼったくりの場合もあります。

見積金額を言われて、なぜこの金額になるのかの内訳を聞くことは決して悪いことではないので、臆せずに聞いてみてください。また、良いようにやり込められていると感じた場合は、当協会に相談いただければ、それが適切かどうかの回答もさせていただきますので、お気軽にご連絡くださいね。

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