東京都調査業協会

探偵コラム

第254回:《探偵》すぐに探偵に依頼したいと思っても、検討してから依頼すること

探偵に依頼をしようと思う人は総じて切羽詰まった状態です。心にゆとりがある状態で、探偵に依頼をしようとする個人は、そんなにはいません。企業であれば、焦っている状態で依頼をしてくる場合とそうでない場合がありますが、個人はみな焦っています。

そもそも探偵に相談をしようと個人が考えるときというのは、どうしようもなくなった状態がほとんどだからです。心に余裕があるときは、相談をしようとは思わないからなのかもしれません。

もちろん、相談内容によっては緊急性があるものもあります。子どもの行方不明、認知症を患っているご年配の家出などは、確かに急がなくてはいけません。命の危険があるからです。しかし、探偵事務所に持ち込まれる相談で一番多い浮気調査は、緊急性があるものではありません。

緊急性がないからと言って、探偵事務所を検討するのに1年もかけるのは長すぎですが、1、2週間ぐらいであれば問題はないはずです。

浮気で一番問題なのは、長期にわたる愛人関係にある場合です。一夜の浮気も当事者であれば問題かもしれませんが、長期にわたる愛人関係ほどではありません。長期にわたる愛人関係で何が問題になるのかというと、子どもの問題です。

浮気相手との間に子どもができてしまうと、関係はよりややこしくなるものです。愛人だけであれば、どんなに慰謝料を請求して、愛人が破産をしたとしてもなんとも思わないかもしれません。

しかし、愛人に子どもがいた場合はどうでしょうか。子どもに罪はありません。愛人と配偶者が悪いだけです。それなのに、慰謝料請求をして、愛人関係を公にし、解消させると、その子どもにも被害が行ってしまいます。

その時に、被害者側だったはずの相談者が傷つかないかというと、どうでしょうか。

だから愛人関係が長期化すると危険だと言えるでしょう。

話がそれましたが、以上の理由で浮気調査の場合は、緊急性はないということになります。そのため、探偵事務所選びに多少であれば時間をかけることができます。

しかし実際、浮気調査の相談に来る方は、心に余裕がない方がほとんどです。誰にも相談ができず、不安に押しつぶされそうになって、探偵事務所に駆け込んでくるからでしょう。でもそこで、一息ついてから探偵事務所を探してほしいのです。

探偵は開業をするときに、公安に届出をしなければいけないため、違法なことはできませんし、詐欺まがいなこともできません。しかし、探偵事務所を名乗る中には、届出をせずに詐欺行為を行っている不正業者も混ざっています。

探偵事務所の選び方については、コラムでも何度かお伝えしていますが、改めてお伝えします。

まず、調査業を行っている業態で、一般の方が勘違いしてしまうのが、探偵事務所、興信所、便利屋はどれも同じだと思っているところです。探偵事務所と興信所は同じですが、便利屋は違います。

便利屋、何でも屋と名乗っているところは探偵行為をしていい場所ではありません。もちろん、便利屋、何でも屋と名乗りながらも、探偵の届出をしているのであれば、探偵行為をしてもいいのですが、そういったところはほぼないでしょう。届出をしていないので、便利屋や何でも屋と名乗っている可能性が高いと言えます。

もし、便利屋や何でも屋で浮気調査を受けられると言われたら、怪しいと思って間違いありません。探偵業界のことを知らずに、親切で浮気調査を行っている人も中に入るかもしれませんが、ほとんどの場合はそうではないからです。

そのため浮気調査などを相談する場合は、○○探偵事務所や○○興信所というところに、まずは連絡をするようにしましょう。

連絡をした後、契約をする前には一度探偵事務所に実際に足を運ぶのがベストです。HPでは事務所の場所を書いていても、実際にはそこに事務所がない場合もあります。HPは誰でも気軽に作れるものですが、詐称するのも簡単になってしまっているところが難点です。

探偵事務所に直接行くのは抵抗がある方もいるかもしれませんが、行った方が、どういうところに自分が相談をしようとしているのかが見えるのでお勧めです。

探偵事務所に実際に行ったら、今度は事務所内に探偵の届出が飾られているかを探しましょう。この届出は、事務所のわかりやすい所に置くというのが義務づけられています。探さないと見つからない、言わないと見せてくれないという事務所であれば、お断りをしてもいいでしょう。

またこの探偵の届出には番号が振られており、HPには番号が記されている(記されていないところは候補から排除してOK)ので、その番号をもとに、その探偵事務所が何か不祥事を犯していないかを公安のHPで調べることができます。

細かなことでも違反したということで載せているので、相談する前に確認をしてください。

探偵の届出も確認し問題がないと判断をしたら、いよいよ相談です。探偵がどういう態度で話を聞いているのかも見ましょう。ここは詐欺や問題があるというわけではないのですが、これから調査をお願いする人のことが信用できなかったり、苦手意識を覚える相手であれば帰りましょう。これは人と人のことですので相性があります。苦手な人に依頼をする必要はないでしょう。

調べてみるとわかると思いますが、探偵事務所は選べるほどにあります。1社がダメだったとしても、他の探偵事務所を探すことは容易です。

そして次に、相談が終わり契約をするときです。契約書について丁寧に説明をしてくれるかどうか、解約をする場合は支払いはどうなるのかについても理解できるまで相談をしてくれるかをみましょう。

わかりやすく説明をしてくれたのであれば、そのまま契約をしても大丈夫でしょう。ただそれでも、巧妙な手口で詐欺をしてくる業者もいますが、ここまでのことに注意をしていれば、詐欺をする業者を排除することができます。

ただこれらのことは、相談者が冷静でなければ難しいことです。ですので、何度もお伝えしているように、探偵に調査を依頼するときは冷静な自分に戻ってから相談をするようにしましょう。どうしてもそれができない、という場合は、当協会のような探偵協会に安全な探偵事務所の紹介をしてもらうのも一つの手ですよ。

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