第309回:《探偵》探偵事務所で依頼をする前にしておきたいこと
普段の生活の中で探偵に相談をしたい、依頼をしたいと思うことは滅多にないはずです。たいていの人が、自分には関係のない世界だと思っているでしょう。
ですが、人生とは何が起きるか分からないもののため、突然、探偵に相談をするような出来事が起こってしまうこともあります。
そんな時、依頼の契約を探偵とする前にしておかなければいけないことといえば、何があるでしょうか?
それはいくつかあります。ただ、しなくても探偵は契約を結んでくれますし、そのまま調査を行ってはくれます。けれど、事前の準備をしていれば、依頼をする側が損をする確率が減るというのはあります。
ではどういうものがあるのかを説明していきます。
まずは自分の相談することをまとめておくこと。
探偵事務所に行き、無料相談の範囲内で話をしている間に、自分がどうしたいのかがだんだんわかってくるというパターンもあるのですが、探偵に相談に行ってみると、初めての場所ということもあり緊張して、思っていたことを言えずに終わってしまうパターンもあります。
言葉が足りていない場合は、探偵側が質問をして、どこまでの調査を求めているのかを探ったりもしますが、それでは不十分な場合もあるかもしれません。そうならないためには、探偵事務所に相談をしに行く前に、自分が何に悩んでいて、どういう情報があれば、どういう行動をとることができるのか、というところまでしっかり考えておくことがベストです。
文章を書くのが苦手でなければ、相談したいことを紙に書いておくのも一つの手です。そうすることで冷静にもなれるので、本当は自分がどうしたかったのかも分かる場合があります。
相談したい内容を確定したら、探偵事務所探しです。
探偵事務所はどこも同じだと思うかもしれませんが、違います。その探偵事務所によって得手不得手はありますし、その探偵事務所に所属している人や提携している人が違います。
例えば、浮気調査を依頼しようと考えている場合、浮気調査が得意な探偵事務所を探すだけではなく、弁護士と提携している探偵事務所も、候補の1つとして見積もっておくのが得策です。
弁護士と提携しているということは、その探偵事務所では本当に浮気調査の依頼が多く、弁護士と提携している方が依頼人の為になると考えている可能性が高いからです。つまり、それだけ浮気調査に慣れており、依頼人に寄り添った経営方針を持っているということになります。
とはいえ、その探偵事務所が浮気調査の依頼が多いから弁護士と提携をしたわけではなく、別のルートで弁護士と知り合い、提携したら双方の理になるのではないか、という考えで提携をしている場合もあるので、それは一度相談をしに足を運ばなければ見えてこないことです。
つまり、浮気調査の依頼をしたいと考えている時に、相談をする前から、弁護士と提携している探偵事務所は優良だから、弁護士と提携していない探偵事務所は、探偵事務所選びの候補から外すという極端な考え方はしなくても良いということです。ただそういう傾向があるかもしれない、と思っているぐらいでいいでしょう。
また、弁護士と提携している探偵事務所が珍しいという時代でもなくなってきています。複数人の弁護士と提携している場合もありますし、HPにわざわざ書いていないだけという場合もあるので、弁護士と提携している探偵事務所は格上だという発想は持たない方がいいかもしれません。
話を戻しましょう。探偵事務所探しについては、これまでもいくつかのコラムで書いてきました。探偵事務所の傾向というのは、千差万別とまではいいませんが、違う雰囲気を持っている探偵事務所が数多く存在します。
そのため、1つの探偵事務所にだけ足を運んで相談をし、即決で契約を結んでしまうのは非常に危険です。
自分が悩んでいることを相談するのは精神的にも辛い行為かもしれませんが、最低でも3社には相談をするようにしましょう。探偵事務所に対しても、即決をすることはない、という前置きをしておくと、より良いと言えます。
相談をすると、見積もりを出してもらえます。探偵事務所が出している見積書の金額は確定の金額ではありません。そのことは十分に気を付ける必要があります。
また見積書の書き方も探偵事務所によってバラバラです。項目が少ない場合は、細かく書いてほしいと伝え、最低でも3社の見積書を比較してみて下さい。
価格が一番安いからといって、最終的にその探偵事務所に依頼をするとお得なのかというと違う場合もあります。一番勘違いをしやすいのはパック料金です。
「全て込々でこの価格ですよ」と言われたとしても、何に対して全て込々なのかがわかりません。羅列されている事柄だけが込々なのかもしれませんし、羅列している事柄も一部は含まれていないこともあります。
また探偵業界に明るくないと分からないのが、探偵が調査をするのは必ずしも1回だけではないということです。
例えば浮気調査をする場合、対象者の尾行をしますが、尾行をした日に対象者が本当に浮気をしていたとしても、その日に浮気相手と会わない可能性もあるからです。これは探偵の調査能力が低いというわけではありませんし、そういう可能性は大いにあることを覚えておく必要があります。
調査力が低い場合は、対象者が浮気をしていても確証となるものを取ることができなかったり、対象者に尾行をしていることがバレたりすることを指します。これもゼロではないので、そうならないために探偵事務所選びは重要です。
調査料は、調査をするたびに金額が変わっていきますが、普通の探偵事務所であれば、追加の調査をする場合、またこれぐらいの金額が加算されますということは伝えてくれるので、手持ちのお金と相談しながら調査の回数を考えるのがいいでしょう。
ただこういったことは、相手が話をしやすい雰囲気を持っているかも重要です。その判断は、探偵事務所に相談をしに行った時にできるはずですので、相談をしに行く時は冷静さも持ち合わせる必要があります。
今回お伝えした内容を頭の片隅に入れておけば、よほど巧妙なやり方をしていない限り、依頼をしない方がいい探偵事務所は、探偵事務所選びの候補から外せるはずです。
探偵事務所に依頼をする前には、しっかりと事前の準備をしていきましょう。
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