
第333回:《探偵》探偵事務所とトラブルになることといえば?
悩み事があったから探偵に相談をしたのに、その探偵とトラブルになってしまったら、さらに面倒ごとが増えてしまい困りますよね。
探偵に相談をしようと検索をしていると、探偵とトラブってしまうこともあるという書き込みを見ると、やっぱり探偵に相談をするのはやめようかな、と思ってしまう人もいるかもしれません。
ですが、探偵とトラブルになってしまうのは、探偵業界のことを知らないからです。どういったことで探偵とトラブルになってしまうのかを事前に知っておけば、探偵とトラブルになる確率はぐっと下がりますし、仮にトラブルを避けられなかったとしても理由が分かっているので対処もしやすいという利点があります。
では、探偵事務所とどんなトラブルになりやすいのでしょうか?
1つ目は解約に関するトラブル。
探偵事務所に相談をしに行き、相談者がその探偵事務所に依頼をすると決めると、探偵事務所側と相談者側で契約を結びます。探偵は契約書の説明をしますし、契約する前に手渡してくれるため、自分で確認することも出来ます。
ですが、相談をすることを決意した後だという事もあり、途中で自分が解約をしようとは考えないと思い込み、探偵が解約についてのルールを説明していてもちゃんと聞いていなかったり、契約書に解約時のルールが書かれていても読まなかったりすることが多く、そこでトラブルになってしまうのです。
例えば、探偵事務所に行き、契約書にサインをした後、探偵事務所から家に帰る道中で、やっぱり探偵に相談をするのを辞めようという考えにいたり、その場で電話を掛けた場合、無償で解約ができるでしょうか?
答えはNOです。解約金が必要になる探偵事務所がほとんどです。そのことは、契約書にも明記していますし、契約を結ぶ前に探偵側も説明しています。それでもトラブルになることが多いのが解約問題です。
また、すぐに解約をすればクーリングオフが適用されるのではないかと思っている人もいるのですが、自ら事務所に足を運んで契約をした場合は適用されません。例えば、訪問販売などの場合は、セールスマンの方から尋ねてきているので、クーリングオフはできます。
探偵との契約解除については、契約書に書かれている解約についての欄を契約前にしっかりとチェックする必要があります。
2つ目は最終的に請求される調査料金に関するトラブル。
探偵と契約を結ぶ前に、探偵は見積書を作成しています。金額が分からなければ、信頼できる探偵だと思っても、契約は出来ませんよね?
ですが、契約前に作られた見積書の金額と、調査が終わった後に請求される調査料金は基本的には違うことがほとんどです。その理由は、やはり契約前に話をしているはずなのですが、ここまで違うとは思っていなかったという人や、そもそも話を聞いておらず違っていることに対して詐欺だと訴える人もいます。
しかし、調査前から最終的な調査料金を探偵側が出すことは不可能です。なぜなら、調査料金の中には探偵が調査をする際の交通費やガソリン代なども含まれていますし、尾行をするのであれば、1回の尾行で完了できるのか、それとも、2回目、3回目、4回目が必要なのかも、調査前には確定していないからです。
ただ、当初の予定より、尾行の回数が増える際には、金額も上がるため、「追加の尾行をすると、大体これぐらいの金額が上がりますが、よろしいでしょうか?」と、探偵側から聞かれるはずです。探偵側から何のお伺いもなく、尾行回数を勝手に増やされたという場合は、探偵事務所側に問題がある可能性があるので、一概に探偵事務所側に問題がないとは言えませんが、そういったことをする探偵事務所はごくわずかでしょう。
3つ目は探偵事務所だと思って契約したら詐欺会社だったケースです。
探偵事務所の中には、探偵の看板だけだしている詐欺会社もごく一部混ざっています。詐欺会社は摘発されると、即解散にはなるのですが、再び別の場所で新しい詐欺会社ができるため、ゼロにするのが困難という問題があります。
相談者がそうとは知らずに詐欺会社に相談をしてしまい、多額の調査料金を不当に請求されるというケースもあります。
また相談に行き、契約を勧められたものの、持ち帰って考えたいと言ったり、今回はやめておくと言ったりすると、脅しをかけてきて、無理やり契約をさせられることもあります。恐喝されて契約を結んだのであれば、それは無償で契約解除ができますが、すでに世間には知られたくないことを話した後なので、それをばらされてもいいのかと言われ、泣き寝入りする人も……。
ではどうすればいいのかというと、正規の探偵事務所と詐欺会社を見分ければいいのです。正規の探偵事務所にあって、詐欺会社にはないものはいくつかあるのですが、分かりやすいのは「探偵業の届出」があるかどうかです。
探偵業の届出は公安に出す決まりになっているため、少しでも違反を起こすと、公安のHPに書きだされたり、罰則を受けたりします。そのため、初めから悪質な詐欺をしようとしている詐欺会社は、探偵の届出をしていません。
探偵業の届出は、探偵事務所のHPに必ず掲載しなければいけないというのと、探偵事務所内の分かりやすい場所に飾っておかなければいけないという決まりがあるため、連絡をする前にHPでまず確認しておきましょう。
その後は、探偵事務所に行ってから、本当に「探偵業の届出」があるかどうかを確認することで、詐欺会社に依頼する確率は下がるでしょう。
ここまでいくつか例を挙げましたが、この他にも探偵とトラブルになってしまう可能性はあります。その場合の対処法としては、探偵協会に相談をすることです。
探偵協会は探偵に関する苦情を受け付けていますし、探偵にこういうことを言われたが、これは不正なのか正当なことなのかを聞くとジャッジしてくれます。
探偵業界に明るくなければ、探偵協会というものが存在しているという事を知らない人はまだまだいるでしょう。
あなたの周りでも何か困っている人がいたら、探偵協会というところがあるという事を伝えてあげて下さい。探偵に対するお困りごとであれば、対応いたします。
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