東京都調査業協会

探偵コラム

第40回:《浮気》浮気調査を頼んだ先の未来を考える

浮気調査は何のためにするのでしょうか?

自分を裏切っていないかを確認するためでしょうか。でも、確認した後、どうしますか?
探偵社に訪れる人は、その先のことを何も考えずに来られる方がほとんどです。

「最近、旦那の様子がおかしいのよ。もしかして浮気をしてるんじゃないかって思って。
ねぇ、調査料っていくらくらいかかるの?」

なんて聞いてくる人がいます。もちろん、探偵側からすればお客様が依頼をしようとしているわけですから、正当な料金説明を行います(一部、正当ではない金額を見積もってくる悪徳探偵もいるので注意してください)。

ですが、お客様はこの時点では、ただ怪しい行動する旦那が気になっているだけです。もし、旦那さんが浮気をしていたという結果が出た場合、どうするつもりなのでしょうか? また、探偵が浮気現場をおさえられず浮気をしていないという結果が出た場合、どうするつもりなのでしょうか?

なので私は、お客様が依頼をされた時に、こう聞くようにしています。

「奥様は、旦那様が浮気されているという証拠が見つかった場合、離婚をするつもりで来られたのですか?」

この一言だけで、感情的になって来られているお客様も、証拠が見つかった先にも未来が続いていることに気づき、その後どうするのかを考えはじめます。

すぐに決められる人と決められない人がいますが、どちらが正解というわけでもないと思います。依頼をされる方は大抵、人生の分岐点に立っている方。相手の浮気だけでは、即決で決めようが、1日2日悩んでも、1週間悩んだとしても、そんなに状況は変わりません。
(ごくまれに、悩んでいる期間に相手から浮気以外の理由で離婚を申し込まれる人もいますが、本当にわずかな確率です。また逆に、悩んでいる期間に浮気相手と別れる場合もありますが、こちらもわずかな確率)

即決で決められなかった人も、数日後、お客様ではなく依頼人となって連絡をしてきます。その時の、依頼人の表情を見れば、浮気現場をおさえた場合、どういう行動をとるのかがわかるのですが、私はちゃんとお聞きしています。

「証拠が見つかった後、どうされるか決まったのですか?」

そう聞くと、依頼人の表情はより引き締まったものに変わります。

「えぇ、浮気をしているなら別れるわ。慰謝料をしっかりとりたいから、そのための調査をしてちょうだい」

と言い切る人もいますが、全員が全員そうなるわけではありません。

「考えてみたんだけど、まだ旦那が浮気をしているかわからないのに、その先のことなんて考えられなかったわ。でも、浮気をしているか、していないかは、はっきりさせたいの」

と言う人もいます。

私はこれも一つの答えだと思います。先のことを考えられないのは、先のことを考えている証拠です。その上でわからないのであれば、先のことを考える材料が足りないからでしょう。足りない材料をそろえるのは、探偵の仕事です。

またこういうお客様もいます。その場合は、直接会いに来ず、電話だったりするのですが、
「ごめんなさい。今回のことはなかったことにしてもらえる? もう少し旦那を信じてみようと思うの」

現実を知ることは、時に怖いことでもあります。大抵の方は、相手の浮気を知って平気でいられません。平気な人は、すでに相手への愛情がなかったり、結婚前から浮気を繰り返していることを知っている人。
それ以外の人は、浮気を疑っていても、心のどこかでは認めたくないと思っています。探偵に調査をしてもらい、浮気の証拠が出て来なければ自分の勘違いですむ。そう思っている人も、一定数います。

探偵に浮気調査を依頼してくるのは、女性だけではありません。男性からも依頼されることがあります。

ただ、女性と男性では圧倒的に違うことがあります。それは、浮気の確率です。実は、女性からの依頼で浮気調査をしても、相手が白だったということはあるのですが、男性からの依頼で浮気調査をすると、ほとんどが黒。これは何故だかわかりますか?

一般的に、男性よりも女性の方が勘は鋭いと言われています。「なんか怪しい」と、ちょっとした動作で女性は見抜きます。ただ疑心暗鬼になってしまうと、全ての言葉や行動の裏に何かあるんじゃないかと思い込んでしまい、浮気を疑い始めるものです。

ですが男性は、そもそも相手の動作の裏側を読むのが苦手な生き物。女性なら「ピン」とくるような行動をとっても、その動作を見逃します。それに、嘘は女性の方が上手くつけるという特徴もあるので、なおさらです。

嘘をつくのが上手い女性の行動を見て、相手の動作の裏側を見抜くのが苦手な男性が、「浮気しているかも」と感じるということは、どういうことかわかりますね?
相手の浮気の進行具合がかなり進んでおり、下手をすると女性側も隠そうとはしなくなってきている、もしくは浮気相手にのめり込んでいて他はどうでもよくなってきている状態という可能性が高いということです。
だから、男性から依頼が来た場合は、十中八九、女性は浮気をしている状態なのです。

女性と男性の違いは、他にもあります。それは浮気調査を終えて、浮気の現場を依頼人に渡した時です。

女性はショックを受ける人もいるのですが、その反面怒りに震える人も多くいます。ですが男性は怒りよりもショックを受ける人の方が多く、その落胆ぶりを見ると声をかけづらいところがあります。
人によっては、その後で妻との思い出話をしていく人もいます。ただ、思い出話はどこか脚色されているような感じがし、恐らく依頼人の中で美化された過去の話。男性は過去を語る時、大抵自分に都合のいいようにいう事が多いので、仕方ないのかもしれません。
逆に女性の場合は、過去の話をする時に美化はせず、どちらかというと相手の悪口を言い始めます。面白いものです。

そして、もう一つ違うのは、相手の浮気後の行動。女性は相手が浮気していることを知ると、離婚をするか浮気相手と別れさせるかのどちらかを選択します。ですが、男性は相手が浮気していることを知ると、大抵の人(家柄や世間体などを気にせずにいい人の場合)は、離婚の一択です。最近は、女性脳の男性も増えてきているので一概には言えませんが。

ただ言えることは、浮気調査の依頼を受けて、幸せな表情で帰っていく依頼人がいないということだけは確かです。浮気は許せない行為ですが、その後自分がどうしたいのかということは、しっかりと考えた方がいいですよ。


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