2025-09-03
第322回:《探偵》探偵に対する苦情を言いたい時は?
探偵事務所に実際に相談や依頼をしてみたものの、「これって普通の対応なの?」と思うことがあるかもしれません。
探偵事務所の中には、確かに「探偵事務所」という看板を掲げているものの、実態は探偵事務所ではなかったということもゼロではありません。探偵業界のことを知らない人を騙そうと思っている人や、ちょっとぐらいならふっかけても大丈夫だと思っている人も中に入るからです。
もちろん、そういった問題を抱えている事務所は、見つかり次第、摘発されるのですが、またすぐに別の業者がそういった事務所を作ってしまうというのが、現状です。
そのため、依頼をしようと思った人、依頼をした人が、これはおかしいのではないかと感じたことが、正しいという場合もあるということです。
では、おかしいと感じた時、どうすればいいのでしょうか?
ほとんどの人は消費者センターに連絡をするか、泣き寝入りをするのですが、その他にも連絡できる場所があります。
それは探偵協会です。
当協会のような探偵協会は、実は他にもあります。当協会は頭に「東京都」とつけているので、東京都内の探偵事務所を見ている協会ということです。日本全体を見ている協会もあれば、他の都道府県にも存在します。
あなたがどこの探偵事務所に相談をして、苦情やトラブルが発生したのかで、相談する場所を変えてもいいですし、管轄外だから対応しませんとは言わないので、検索して初めに出てきた探偵協会に相談するのもありです。
探偵協会に相談をする時は、どこの探偵事務所にどういう相談をして、どういう対応をされたため、不満に思っているのかを伝えてみてください。相談者に非があるのか、探偵事務所に非があるのか、客観的な視点でお伝えします。
また場合によっては、その他にも手伝えることがあるかもしれません。
では実際に、どういったことで探偵とトラブルになるのでしょうか?
よくあるパターンとしては、成果がなければ0円と謳っている探偵事務所に依頼をして、成果がないと思ったのに請求された場合、契約書前に出してもらった見積金額と最終的に出てきた請求金額か全く違った場合、途中解約をした場合、探偵に調査の依頼をしていることが対象者にバレた場合、無理やり契約をさせられた場合、高圧的な態度を取られた場合などがあります。
もちろんこれら以外にも事例としてはあります。ここに当てはまらないからといって、探偵協会に相談をしてはいけないというわけではないので、間違わないようにしましょう。
今あげた例題の中には、その言葉だけでは探偵と相談者のどちらに非があるのかは分からないものがあります。もちろんわかりやすく探偵の方に非があるのは、「無理やり契約をさせられた場合」「高圧的な態度を取られた場合」です。これらは、探偵側がどんな言い訳をしても、相談者の方に利があるので、探偵がどういった言葉を放ったのかが分かる音声データがあると、より一層探偵側を責めることができます。
また「成果がなければ0円」は、この文言を一時、多くの探偵事務所がHPに載せていたのですが、あまりにも苦情が多いため、相談者とのトラブルになる可能性が高いので載せないようにしましょうという動きがありました。
「成果がなければ0円」と言われると、相談者からすれば証拠を見つけてこなければ、タダなんだと思ってしまうのですが、実は違います。
例えば、不倫調査を依頼した場合、不倫の証拠を見つけてこなければ調査費用はタダなのかというと、そうではありません。なぜなら対象者が本当に浮気をしていないという可能性もあるからです。その場合、浮気をしていないので、浮気の証拠はありませんし、浮気をしていない証拠というのも出せません。
もし、半年スパンで、毎日対象者を24時間尾行していれば、浮気をしていない証拠として示すことは出来るかもしれませんが、そんな長期間一人の人物に張り付いているということは不可能ですし、仮に半年間見張っていたとして、その間に浮気をしていなかったとなれば、浮気をしていない証拠になります。その場合、成果がないとは言えないので、半年分の調査費用を相談者が支払うことになるのですが、そんな金額を支払えるでしょうか?
つまり、不倫調査の成功は浮気の証拠を見つけてくるというだけではなく、浮気をしていなかったという結論づけも結果としてあり得るということです。
ですが、調査を依頼している側からすると、「不倫調査で不倫の証拠を見つけてこなかったんだから、調査費用は0円でしょ!」ということになり、探偵事務所との間でトラブルになっていました。
探偵側の説明が足りなかったのと、相談者側の思い込みで起こるトラブルですが、この場合でも無料になることはなく、不満を抱えながらも相談者が支払いをするというケースがほとんどです。
ただ探偵社の中には、そういう勘違いを相談者側がするだろうと見越して、あえて書いているところもあります。そういう悪質な探偵事務所も中には潜んでいるので、「成果がなければ0円」とHPに書いている探偵事務所はお勧めしません。
見積もり金額と、最終的に請求された金額が違うことでトラブルになることもあるのですが、基本的に見積金額と最終的な請求金額は異なるのが普通です。見積もりをした時点では、1回の尾行で証拠を得られた場合の金額ですし、1回の尾行しかしていなかったとしても、対象者がその時に想定外の行動をとり、尾行をしていたら移動費がかさんだということもあります。
イレギュラーな行動は、人間であれば取る可能性は十分にあるため、こういったことが起こらないとも限りません。ただ、尾行が1回で終わらず、2回目、3回目が必要になるときには、探偵側から依頼人に対して「調査費用がこれだけプラスされますが大丈夫ですか?」という打診があるため、費用を増やしたくないなら、そこでやめることも出来ます。
もし、探偵側から何の報告もなしに、勝手に2回目、3回目の尾行をし、それでも証拠を見つけられなかった場合、証拠を見つけられた場合、どちらにしても勝手に行動されて、最終的な調査費用が膨れ上がったというのであれば、探偵事務所側に悪質な部分があると考えられるので、それは相談することができます。
ただ、不満に思っていることが、正しい怒りなのか、正しくない怒りなのかが分からないから、泣き寝入りをするというのはやめましょう。相談をした探偵事務所に思うところがあるのであれば、お気軽に探偵協会に相談をしてみてくださいね。