2025-10-17
第327回:《探偵》探偵に相談をする時に特に注意をした方がいいことは?
探偵はクローズドの業界です。そのため、実際どういう組織になっているのか、どういう調査の仕方をしているのか、どんな人たちが来ているのか、どういう料金体系なのかということが、明確には分からないのが特徴です。
そのため、探偵に調査の相談をする時は、本当にこの探偵事務所に相談をしてもいいのかと迷う人も多いでしょう。
それでも相談する相手が探偵しかいないと思い、勇気を振り絞って探偵事務所を訪れている人がほとんどです。
一縷の望みを探偵に託しているため、探偵事務所で相談をしている最中に泣いてしまう人もいます。それだけ、その人が抱えていたものが大きく、孤独だったということでしょう。
そんな探偵事務所で、相談をする時に気を付けた方が良いことがいくつかあります。
このコラムでも何度かお伝えしてきましたが、やはり最初に大事なことは、その探偵事務所が正規の探偵事務所かどうかというところです。
最近のGoogleの地図を見ると、探偵事務所であっても口コミが書かれていることがあります。ですが、この口コミを100%信じることは出来ません。陰湿な他社の探偵事務所からの嫌がらせで悪い評価を書いていたり、調査にはなにも問題はなくても依頼人が思っていた結果と違ったことに納得ができず「詐欺だ」という悪い評価を書く場合があるからです。
基本的に探偵に相談をしたことは、他人にバレたくないと思う心理が勝るものなので、探偵事務所に口コミを書いている時点で、悪質な思惑がある可能性が高いと言えます。匿名希望で書いていたとしても、ネットの世界ではすぐに割り出されてしまうこともあるので、用心深い人は、悪い結果でも、いい結果でも口コミはしないというのが大半の人がとる行動なので、信用は出来ません。
そうなると、その探偵事務所が正規のところなのかどうかを判断する材料に口コミは使えないということになります。
ではどうすればいいのかというと、まずは「探偵の届出」があるかどうかを確認してください。これは探偵事務所の看板を掲げるのであれば、必ず公安に届け出をしなければいけないものです。探偵の届出をすると、公安から番号が振られます。そして、その番号が乗った証書はHPに載せることと、探偵事務所の分かりやすい場所に貼らなければいけないという義務があります。
また、この公安から振られた番号は、その探偵事務所が何かしらの違反をすると、公安のHPに何をしたのかが載っているので、その番号を見つけたら、すぐにけんさくをしてみるといいでしょう。
ただこの探偵の届出をHPに載せていない探偵事務所も存在します。そういった探偵事務所は、探偵の届出をしているものの、番号で検索されると困ることがあるという場合や、公安に見張られた状態では探偵の仕事ができないと考えている正規の探偵ではないので、連絡をしないのが一番です。
そういった探偵事務所では、法外な調査料金を吹っ掛けてきたり、おざなりな調査をしたり、そもそも調査をしていないのに何も見つからなかったとでたらめを言ったりする可能性もあるため、近寄らない方がいいでしょう。
とくに探偵にこれまで一度も相談をしたことがないという人は、早く探偵に相談をしたいと思っても、この探偵の届出をちゃんとHPに載せているかを確認し、その後、公安のHPで過去に何か重大な犯歴がないかどうかを確認してください。
そうすることで、問題のある探偵事務所を事前に選択肢から排除できるので、トラブルに巻き込まれる可能性も減ります。
次に探偵の届出をちゃんとHPに載せている探偵事務所の中から、相談をする探偵事務所を決める時ですが、1社だけに絞るのではなく、最低でも3社は選ぶようにして、実際に事務所まで行くことが大切です。
1社だけだった場合、探偵業界の「普通」が分からないですし、適正な調査金額なのかの判断も出来ません。一番初めに行ったところが、人あたりもよく、親身になってくれて、頼りにもなりそうだと思ったとして、相見積もりは必要です。
3社ぐらいに同じような話をしてみると、どの探偵事務所も全く同じ対応をするということはないでしょう。その中で、よく吟味して、ここだったら任せられそうというところと契約をするようにしましょう。
また、探偵事務所の中には、相談をしに行ったその日に、そのまま契約を結ぶところまで進めようとする探偵もいます。普段から探偵に慣れている人であれば、探偵を見極める目を持っているので即断即決でもいいかもしれません。ですが、初めて探偵に依頼をしようとしているなら、即断即決は危険です。
特に契約をすることで、1万や2万円が動くぐらいであれば、即断即決でもかまいませんが、実際は高額の買い物をする時の金額と同等のお金が動きます。だからこそ、慎重にならなければいけません。
ただ相見積もりをする際に注意をしなければいけないのは、見積金額だけを見るのではないということです。
探偵が契約前に魅せる見積書は、全ての調査が終わった後も同じ金額かというと、違います。それは探偵が安く見積もろうとしているからではなく、調査が長引くか、簡単に終わるかは、実際に調査を開始してみないとわからないからです。
そのため、見積書にはただし○○は除くと書かれていたり、これは概算の数字ですということが書かれています。では実際にはどれぐらい変動するのかは、見積書を受け取った時に探偵に聞いてみましょう。もし尾行調査が2回で終わった場合はどうなるのか、交通費以外でいいので教えてほしいという風に、調査がどれぐらいで終わると、どれぐらいの数字になるのかを聞いておけば、相みつもしやすく、他の探偵事務所と比べることも出来ます。
ただ金額も大事ですが、金額だけではなく、目の前にいる探偵と話をしていて、自分がどう感じるのかということも大事です。何の調査の依頼をするかにもよりますが、場合によっては契約をした後は、その探偵と何度も話をすることになります。そのため探偵との相性も見た方がいいでしょう。
都内だけでも探偵事務所は想像以上にあります。2、3軒ダメだったからといって気にすることはありません。探偵に相談をする時は、自分が納得いくまで探偵選びをすることが何よりも大事ですよ。






