2025-10-21
第328回:《探偵》探偵事務所のHPに書かれている浮気調査と不倫調査は違うもの?
実在する探偵が調査依頼を受けていると想像しやすいのが、浮気調査や不倫調査です。物語の探偵は刑事事件を担当していたりしますが、現実の探偵は色恋沙汰に関するものがほとんどなんじゃないかと思っている人もいます。確かに、その通りです。一部、そうではない探偵事務所もありますが、一般のお客さんをターゲットとしている探偵事務所に持ち込まれる依頼は、浮気や不倫についてです。
ですが、この浮気調査と不倫調査。二つの言い方がありますが、実際は違うものなのでしょうか?どう思いますか?
言葉のニュアンスだけで行くと、浮気の場合は夫婦でも恋人でもどちらの場合も含んでいますが、不倫の場合は夫婦の場合しか意味合いとしては含まれていません。となると、不倫調査とホームページに書いている探偵事務所は夫婦の場合のみ受けていて、浮気調査とホームページに書いている探偵事務所は夫婦でも恋人でもどちらの場合でも依頼を受けているのか、というふうに考えることも出来ます。
しかし実際は違います。浮気調査でも不倫調査でも、依頼をしてくるのは夫婦、つまり既婚者のみです。もちろん、夫婦ではなく恋人関係であっても、浮気調査の依頼をしてくる人もいますが、相談をしてくる人に詳細を離し、調査料金の見積もりを出すと、契約をしないというのがほとんどです。
夫婦の場合と恋人の場合では、浮気調査をする意味が大きく違うからです。
夫婦の場合は、姦通罪というものがあるため、既婚者が浮気をすると慰謝料を請求できるというものがあります。例えば、夫が不倫をした場合は、妻は夫と夫の浮気相手の二人に対して慰謝料請求をすることができるということです。
ただ慰謝料を請求するためには、夫が浮気相手と身体の関係があるということを立証しなければいけません。
また恋人とは違い結婚届というものを出しているので、夫が不倫をして、それが許せないという場合は離婚をする必要がありますが、不倫をしたにもかかわらず夫側が離婚に応じない場合もあります。その時に、不倫の証拠があれば、不倫裁判を開くことで離婚を成立させることができるというのも重要なことです。
そのため、不倫の証拠は法的に認められるものではないといけないため、調査のプロである探偵に調査の依頼をするというのが流れです。
つまり、夫婦の場合の浮気に関しては、探偵に調査の依頼をすることで、自分にとってメリットとなることがあるということになります。不倫調査にかかった費用も、不倫の証拠があれば、慰謝料の中に含めて請求もできるため、後からお金が返って来るという考えを持っている人もいます。
ただ、不倫調査を依頼したからといって、必ずしも離婚をしたいから、慰謝料が欲しいから、という理由だけではないこともあります。
実際に、不倫調査を依頼し、配偶者が不倫をしている証拠を手に入れても、離婚をしない依頼人もいます。慰謝料だけは、配偶者と不倫をしていた相手だけに請求するというのもありますが。
この場合、離婚をしないのに、なぜ不倫調査が必要だったかというと、自分の家族を守るためです。
離婚をしないのに、不倫調査を依頼する人の場合、夫婦の間に子どもがいることがほとんどです。子どものために離婚をしない方がいいという判断をしたものの、だからといって配偶者に不倫を続けられるのを許したわけではない、という場合に、探偵に調査の依頼をして、その証拠を相手に突きつけ、不倫相手とだけ別れてもらい、家族のために奉仕をしてほしいと伝えるために、依頼をするのも有効な手段と言えるでしょう。
夫婦間において、不倫をした側と不倫をされた側の場合、不倫をされた側が不倫の証拠を持っているのであれば、その夫婦において力関係がどうなるのかは一目瞭然です。
ですが恋人同士の場合はどうでしょうか。恋人の場合は、相手に対して法的な縛りは何一つありません。もちろん、人道的に悪い行いではありますが、彼氏や彼女が浮気をしたからといって、慰謝料を取れるかというと、取れないでしょう。
酷い彼氏だった、酷い彼女だったということが分かるだけですし、それを周りに言ったとしても「可哀想に。新しい人を探しなよ」と言われてしまうだけです。
恋人同士であっても、浮気調査が有効な場合は、結婚の約束をしている、結婚式まで間もなくという場合でしょう。そういったケースの場合は、浮気調査を行い、相手に浮気相手がいないかをはっきりさせるというのは有効です。
ですがそれ以外の場合は、恋人同士なのであれば、探偵に浮気調査の依頼をする必要はありません。相手が浮気をしているのかどうかが気になった場合は、自分で調べてみるぐらいで丁度いいのではないでしょうか。
ここで表題に戻りますが、結局「浮気調査」と「不倫調査」が混在していても、どちらも意味は同じということになります。
ただ感覚的なものはあるかもしれません。
自分の配偶者のことを調べてほしいと思った時に、「浮気調査」と「不倫調査」では、どちらの方が重く感じますか? 後者ではないでしょうか。
既婚者が浮気をすれば、それは浮気ではなく不倫です。不倫なのですが、大きくくくれば「浮気」でも当てはまります。ことの次第を深刻に受け取りたくない、まだ相手のことを信じたい、という気持ちが強い人ほど、配偶者が他の人と身体の関係を持つことを「不倫」ではなく「浮気」と言いたくなるのかもしれません。
どちらもしていることは同じなのですが、言葉の受け取り方としての問題もあり、「浮気調査」と「不倫調査」が混在している状態になっているのかもしれません。
最後に。あなたが既婚者で、あなたの配偶者が怪しい行動をしている時は、恋人同士の時とは違い、自分で調べようとせず、探偵に相談をすることをお勧めします。相手も既婚者の身で浮気をしていることは、恋人の時に浮気をしているのとは違った責任があることを理解しているので、必死に隠そうとしたり、ごまかそうとしたり、ほとぼりが冷めるまで浮気相手と会うのを控えたりしてしまう可能性があるからです。
確実に配偶者の怪しい行動を洗い出したいなら、最初から探偵に相談をする方が安心ですよ。






